今月18日早朝に大阪府吹田市で、スキー旅行帰りの観光バスが分離帯やモノレールの支柱に衝突し、乗員・乗客ら27人が死傷する事故が起きた。
事故の遭ったバスには交代要員の運転手が乗っておらず、事故当時バスを運転して重傷を負った運転手も「連日乗務が続いていた」と供述したことから、運転手への過重な労働が事故の大きな要因の可能性が高いとみて長野県のバス会社を家宅捜索し、敗者表や運行日誌などを押収した。
…今回家宅捜索を受けたバス会社は去年、乗務員の長時間労働を改善するよう労働基準監督署から是正勧告を受けていて、北陸信越運輸局も今月5日に監査したばかりだった。
また、そのスキー旅行は大阪府の旅行代理店が企画し、大阪〜長野・白馬間が片道5800円という手頃な料金を売り物にしていたという。…少しでも多くの利用客を得るべく競合する同業者より安い料金で提供したいという旅行代理店の要求に、近年の燃料費の高騰などで苦しい経営を強いられているバス会社としても、燃料費や人件費を考慮した上で採算の取れるギリギリの範囲内で呑まなければ商売にならない。
…確かに利用者の立場としては少しでも料金の安いツアーを利用したいところだけど、料金が安いだけで安全やサービスが疎かになってはサービス業としてあってはならない。
