韓国の大統領選挙は19日に投票が行われ、即日開票の結果、前ソウル市長で保守系最大野党・ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)氏が旧与党系・大統合民主新党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)元統一相、無所属の李会昌(イ・フェチャン)元ハンナラ党総裁に大差をつけ、当選を決めた。
李前市長は1987年に現在の大統領直接選挙制が施行されて以来、初めて得票率が5割を超える勢いだ。来年2月25日に第17台大統領に就任し、金大中(キム・デジュン)氏、盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏と革新系政権が2代続いた韓国から10年ぶりに保守系政権が誕生する。
次期大統領となる李氏は1941年に大阪府で生まれ、終戦後、慶尚北道・浦項に引き揚げ、苦学の末に高麗大学を卒業。卒業後現代建設に入社し、異例のスピード出世*1で同社を韓国のトップ企業に押し上げた。…第14代総選挙で国会議員として政界入りし、1998年に議員を辞職するも2002年にソウル市長に就任。ソウル市内を走る清渓高架道路を撤去と清渓川の復元を実現するなどの実績を持つ。
10年ぶりの保守系政権として政権を運営する李次期大統領は、漢江と洛東江を結ぶ内陸運河を作る構想を主要な公約として掲げている。…とはいえ、国内では深刻な経済格差の問題や外交面でも対北朝鮮政策など抱える課題も少なくないけど、経済人出身の李次期大統領がどのような政権運営を見せるのか、その手腕を確かめたい。
*1:29歳で取締役、36歳で社長、47歳で会長職に就いた
