正臣のガレーヂ日記

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後継者不足に直面する「剣会」

 東映の時代劇や仁侠(にんきょう)映画を陰で支えてきた、俳優と殺陣(たて)師の集団「東映剣会(つるぎかい)」が、高齢化と後継者難に直面している。60年近い歴史があるが、時代劇の低迷で会員はピーク時の約1/5の20人に激減した。一方で、職人肌の殺陣(立ち回り)の技術集団として脚光を浴び始めており、存続に向けて、東映京都撮影所がPRに力を入れ始めた。
■技継承へ存在アピール
 剣会は同撮影所内に昭和27年に誕生した。「ラストサムライ」の出演を機に世界的に有名になった福本清三さん(67)ら17人の俳優が所属する。切り合いの場面の演技を付ける殺陣師も3人いる。
 会員は、いわゆる大部屋俳優の中で殺陣の優れた人が選ばれた。スター俳優に切られる脇役だが、「昔は大部屋俳優が400人もいて、入会は大変なことだった」と福本さん。一時は100人近くおり、「ピラニア軍団」で知られる故川谷拓三さんも所属していた。
 白井滋郎会長(59)は、松方弘樹さんが、立ち回りの相手が剣会の会員でなかったために撮影を中止させたことを覚えている。時代劇の撮影に引っ張りだこだった剣会は、スター俳優からも一目置かれた。
■精鋭集団、後継者難に直面
 現在、会員は40〜70代。かつてのように剣会への加入が仕事や収入に直接影響するわけでなく、白井会長は「若手にとって目に見えるメリットがなくなった」と話す。「剣会は殺陣ができる人の集まりで、教える場ではない。誰でもどうぞ、とは言えない」と、伝統との兼ね合いに悩む。
 最近、テレビなどで会員が特集される機会が増えてきた。同撮影所によると、福本さんの人気がほかの会員への注目も高めたようだという。立ち回りのできる人が減少したため、東映以外からの引き合いもある。
 撮影所は昨年、東映剣会のホームページを作った。演技センターの西嶋勇倫さん(38)は「業界では知られていても、一般の知名度は低かった。存続のためにも剣会の存在をアピールしたい」と話している。

東映が制作に関係している時代劇のスタッフロールには、必ずといって良いほど「東映剣会」の表記が入っていて、最大の「見せ場」である立ち回りにおいて欠かすことの出来ない存在といえるけど、そんな中にも高齢化や後継者不足の波が押し寄せてきているとは思ってもいなかった。

…時代劇の立ち回りは現代劇のアクションシーンとは勝手が異なる部分もあるだけに、如何に若い世代へと伝統的な殺陣の技術が継承されるのかが今後の課題となりえるといっても過言ではない。