民主党は29日、菅直人総理大臣の後継代表を決める代表選挙を行い、野田佳彦財務大臣(54)が海江田万里経済産業大臣(62)との決選投票の末、新代表に選出された。野田氏はただちに党役員人事に着手し、30日の衆院本会議で第95代、62人目の首相に指名される。
得票数は野田氏215票、海江田氏177票。投票総数は395、有効投票数は392で無効票は3だった。
野田氏、海江田氏のほか前原誠司前外務大臣(49)、馬淵澄夫前国土交通大臣(51)、鹿野道彦農林水産大臣(69)の計5人が立候補した代表選は、1回目の投票でいずれの候補も過半数に達せず、野田氏と海江田氏による決選投票となった。
1回目の得票数は前原氏74票、馬淵氏24票、海江田氏143票、野田氏102票、鹿野氏52票。有効投票数は395、無効票は0だった。
海江田氏は約120人の党内最大勢力を率いる小沢氏や、鳩山由紀夫前首相の全面的な支持を受け、1回目の投票では最多の票を集めた。しかし、野田氏が、海江田氏を通じた小沢氏の影響力維持を懸念する中間派の支持を集め、決選投票では海江田氏の票を上回った。
…甚大な被害を受けた東日本大震災や最高値を更新する円高など、戦後最大の「国難」という状況下に置かれている中、野田氏をはじめとする新内閣に課せられた幾多の難題を乗り越えるのは、決して容易いものではない。しかし、現在この国に重く漂う閉塞感を如何に打開できるか、そして野田氏の政治手腕が国民の理解と支持を得られるかが、この国のこれからを動かす上で、大きな鍵となることに変わりは無い。
