正臣のガレーヂ日記

プライベートな日記から新型車の一言レビュー、時事ネタまで他愛なく書いております。

フォード、日本市場から撤退へ

アメリカの大手自動車メーカー・フォードモーターが、今年度末を目処に日本とインドネシアでの全事業の撤退を発表した。

 

米フォードが日本から完全撤退 年内で輸入販売を停止:朝日新聞デジタル

 

高級車「リンカーン」を含めすべてのフォード車の輸入・販売を停止する。日本国内に52ある販売店のうち、直営店は閉鎖し、他社が運営する店は正規販売の契約を終了する方針だ。

 

同社は撤退の理由について、「収益性確保に向けた合理的な道筋が立たず、投資に対して十分な利益は見込めないと判断した」と説明した。撤退後も、アフターサービスや部品の交換、保証サービスなどには応じる。業務は他社に委託するとみられる。日本でやっている商品開発は海外に移すという。

 

…日本におけるフォードというと、古くは戦前のT型フォードの現地生産から第二次大戦を挟んで、マツダとの資本提携による「オートラマ」の展開など、90余年の長きにわたって日本の道を走ってきたけど、平成20年の「リーマンショック」による経営悪化が日本市場からの撤退の引き金となったかに見えるけど、日本の市場にも見合う車種が少なく、販売台数につながらなかったことも大きかったようだ。

 

また、かつては「憧れの輸入車」の代表格だったアメリカ車も、石油ショックやバブル景気前後の日本におけるユーザーの嗜好の変化から、より信頼性が高くブランド力も強いドイツに代表されるヨーロッパ車へとシフトしていったことを考えると、今回のフォードの日本市場からの撤退はかつてのアメリカ車に見られた「大きいことは良い」という前時代的な感覚*1が「時代の流れ」に取り残された感があったとも思えてならないとともに、一抹の寂しさを感じずにはいられない。

*1:これでも'60年代以前よりは小さくなった