正臣のガレーヂ日記

プライベートな日記から新型車の一言レビュー、時事ネタまで他愛なく書いております。

「あの車、どう?」~第317回~

今回のニューモデル紹介日記は、トヨタの上級小型クロスオーバーSUVカローラクロスを紹介したい。

 

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カローラシリーズでは初のSUVとなるカローラクロスは、歴代カローラが培ってきた挑戦・進化をという使命を受け継ぎ、これからのカローラに求められる新しい姿を追求した結果、シリーズ初のSUVとして誕生。「新空間・新感覚カローラ」を開発コンセプトに、SUVならではの広い室内空間や高いユーティリティに加え、力強い走りと低燃費を両立している。

 

背の高いボディスタイルは、見晴らしのいい視界の高さとともに、ゆとりの頭上空間を確保。どの席に座っても、街乗りからロングドライブまであらゆるシーンで快適に過ごせる室内空間を実現した。前席はSUVならではの高いアイポイントに加え、細いフロントピラーとスッキリしたインストルメントパネルにより見切りが良く運転のしやすい空間とした。

 

後席は大きく開くリヤサイドドアで乗り降りがしやすく、加えてリクライニング機能を設けることで、高い居住性・快適性を備えている。また、パノラマルーフをオプション設定。大きなガラス面でどの席からも空が眺められる解放的な視界が広がるほか、電動ロールシェードで日差しのコントロールも自由自在だ。

 

ラゲージ容量は、5人乗車時でもクラストップレベルの487リットルを実現。また後席を倒すとさらに広いスペースを確保でき、ロードバイクの搭載も可能になる。ラゲージ開口部は地面から720mmの高さに設定。小柄な人でもラクに荷物の積み下ろしができるほか、リヤバンパー下に足を出し入れするだけで開閉できるハンズフリーパワーバックドアも備える。

 

また、カローラクロス専用設計の高機能収納ボックス「ラゲージアクティブボックス」を使用すると、荷物を車外から見えない状態で収納できるほか、ふたを閉じるとラゲージの床面をフラットにして広い荷室空間を活用できるなど、多彩な荷室アレンジが可能になる。

 

エクステリアは「アーバン・アクティブ」をコンセプトに、SUVらしいダイナミックで洗練されたデザインを採用。先行して海外で発表されていたカローラクロスとは前後のデザインが異なり、特にフロントはカローラシリーズとしてより統一感のあるデザインとなっている。

 

ガラス面やフロント・リヤのランプに伸びやかなデザインを施したアッパー部と、ワイドで安定感のあるバンパー部のデザインのコントラストにより、都会的かつ堂々としたプロポーションとしている。ボディカラーには都会的で洗練された雰囲気を持つ全8色を設定している。

 

インテリアは、インストルメントパネルからドアトリムにかけて連続性のあるデザインを採用した。室内空間に広がり感を付与したほか、室内照明はすべてLEDを採用するなど、カジュアルな雰囲気の中に、上質かつ洗練された質感のインテリアを実現。フロントシートには、スリムな背面部と高いホールド性を両立したスポーティなシートを採用している。

 

ハイブリッド車とガソリン車は、ともにカローラクロスに最適化した1.8リットルエンジンを採用。アクセル操作に対してクルマが素直に反応し、シームレスで気持ちの良い加速感を実現する。ハイブリッド車ではクラストップレベルの26.2km/リットル(2WD・WLTCモード)を達成したほか、E-Four(電気式4WDシステム)を設定し、加速時や、雪道など滑りやすい路面での安心した走行を実現しつつ、低燃費にも貢献する。

 

基本骨格はコンパクトSUV向けに熟成を重ねたGA-Cプラットフォームと、軽量でありながら高い剛性を持つボディ骨格を採用し、車高の高さを感じさせない、軽快で安定した操縦性を備える。またエンジン音やロードノイズを低減する吸音素材を最適配置したことで、静かで快適な車内空間を実現した。

 

足回りでは、フロントサスペンションにマクファーソンストラット式を、リヤサスペンションは2WD車に新開発のトーションビーム式を採用。大型ゴムブッシュと合わせることで、凹凸した道でも路面をしっかりと捉えるしなやかで上質な走りを実現している。またE-Fourにはこれまでのカローラシリーズで熟成を重ねたダブルウィッシュボーン式を採用。アーム類の取り付け位置を最適化したことで、安定性と応答性を高次元で両立している。最小回転半径はクラス最小レベルの5.2mを実現。狭い道や駐車場などでの取り回しも軽快だ。

 

安全面では、日常のあらゆるシーンでドライバーを支援する最新の「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備する。またパーキングサポートブレーキとバックガイドモニターを「GX」を除く全グレードに標準装備。駐車場など狭い場所でも安心して運転できる。さらに、障害物の有無にかかわらずペダル踏み間違い時の急加速を抑制するプラスサポートを設定している。

 

また、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)と非常時給電モードをハイブリッド車にオプション設定。停電など非常時には車両駐車時に「非常時給電モード」にすると、電気ポットやドライヤーなどの家電製品が使用可能な非常用電源として活用できる。また、ガソリン車・ハイブリッド車とも、普段の走行時には車内のUSB端子を通じてスマートフォンなどの電子機器を充電することが可能だ。

 

…初代モデルの発売から55年の節目に発売されたカローラクロス。時代と共に挑戦と進化を重ね続け、150以上の国・地域のユーザーからの厚い支持を受け、今年7月にはシリーズ5000万台のグローバル累計台数を達成した。

 

トヨタSUVラインナップではRAV4C-HRやヤリスクロスの中間に位置し、おそらくCX-30やエクリプスクロス、XVと直接競合するとされるが、より小型のキックスやヴェゼルも範囲内といえる。また、エンジン車のベーシックグレードでは200万円を切るという価格設定は、このクラスのクロスオーバーSUVではかなりリーズナブルな部類に入るが、売れ筋という点ではHV車がメインとなるだろう。

「あの車、どう?」~第316回~

今回のニューモデル紹介日記は、スバルの中型スポーツセダン・新型WRX(北米向け仕様車)を紹介したい。

 

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2014年以来7年ぶりのモデルチェンジとなる今度の新型は、WRXとして初めてスバルグローバルプラットフォームを採用。6速マニュアルトランスミッション(6MT)に加え、新たなオートマチックトランスミッション(AT)「スバル パフォーマンス トランスミッション」を採用するなど、全域で進化した。

 

エンジンは最新の2.4リットル水平対向ターボエンジンで、最高出力は約275ps(271hp)、最大トルクは約350Nm(258lb-ft)を発揮。シンメトリカルAWDに、アクティブトルクベクタリングを備えた。スバル パフォーマンス トランスミッションは2速から3速へのシフトアップを最大で30%速く、逆にシフトダウンは50%速くおこなうことができるという。ブレーキング時に最適な回転数に合わせシフトダウンすることで、理想的なコーナー脱出が可能な制御を組み込んだ。

 

注目される外装は、「SUV風セダン」とも呼べそうなブラックのフェンダーガードを装着したワイドボディデザインが特徴となっており、ラリーでの活躍を視野に入れたであろう攻撃的なデザインとなっている。ヘッドライトやフロントマスクは最新の『レヴォーグ』などと共通で、シャープなイメージ。ボディサイドは盛り上がったフェンダー、エッジの立ったキャラクターラインが力強さを与えている。またテールライトは火山のマグマを彷彿とさせるものとなった。

 

新たに高級グレード「GT」を設定。電子制御ダンパーを備え、新たなドライブモードセレクトを搭載。ステアリングフィール、ダンパー設定、SI-ドライブ設定など最大430もの異なるカスタマイズオプションに対応する。黒のウルトラスエードを採用したレカロシートはGT専用だ。またマットグレー仕上げの専用18インチアルミ合金ホイールに245/40R18タイヤを組み合わせる。

 

最新プラットフォームを採用したことで安全装備も最新のものにアップデートされた。AT車にはアイサイトを装備。視野角の拡大やソフトウェアの改善により、より広範囲での予防安全、事故軽減に貢献する。車線逸脱防止機能はよりスムーズで自然な支援を可能とした。またWRXとして初めてレーンセンタリングを備えた高度なアダプティブクルーズコントロール(ACC)を搭載。このほかにも衝突回避ステアリングなど、スポーツモデルでありながら安全装備を充実させているのにも注目だ。

 

…7年ぶりのモデルチェンジで基本設計からリニューアルされた新型WRX。今回発表された新型は主要な市場となる北米向け仕様車とのことだけど、おそらく国内向け仕様での「S4」に準拠した仕様と見られる。現段階では日本への導入時期や仕様の詳細に関しては不明ではあるが、走行性能を更に高めた高性能モデル「STI」の投入を含めて更なる情報に期待する熱心なマニアも少なくはないはず。

「あの車、どう?」~第315回~

今回のニューモデル紹介日記は、スバルの上級中型クロスオーバーSUV・新型レガシィアウトバックを紹介したい。

 

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2014年以来7年ぶりのフルモデルチェンジとなる今度の新型は、乗用車とSUVの長所を融合させたクロスオーバーSUVとして1995年に北米市場で誕生。以来、どこまでも走り続けられるような安心感と快適性、荷物を効率的に積める積載性、質感の高い内装といった、クルマとしての本質的価値を磨き続けてきた。今回の新型でも、「知的好奇心を刺激し、新たな発見を促すクロスオーバー」というコンセプトのもと、歴代モデルが培ってきた価値に最新の技術を組み合わせることで、さらなる進化を遂げている。

 

パワーユニットは、従来の2.5リットルからダウンサイズした新世代1.8リットル水平対向4気筒直噴ターボエンジンを採用する。最高出力177ps/最大トルク300Nmを発揮。従来モデルを上回る走行性能と環境性能を高次元で両立している。またスバルグローバルプラットフォーム+フルインナーフレーム構造等による車体剛性の最適化で、動的質感と衝突安全性能を大幅に向上させた。

 

先進安全装備では、前後4つのレーダーでカメラの死角をカバーすることで360度センシングを実現した「新世代アイサイト」や、3D高精度地図データを採用した高度運転支援システム「アイサイトX」を全車標準装備することで、新次元のストレスフリーなセイフティドライビングを実現した。

 

エクステリアは、スピード感のあるシルエットに、厚みを強調したボディパネルや、力強さを表現したクラッディングを組み合わせることで、一目見ただけで感じられるアクティブさとタフさを表現した。インテリアでは、ハーマンカードンサウンドシステムや本革シート(ナッパレザー)を採用することで、フラッグシップクロスオーバーSUVとしての上質感を演出。さらに大型センターインフォメーションディスプレイや、12.3インチフル液晶メーターで構成するデジタルコックピットを採用。運転に必要な情報の認知から操作を、よりスマートにサポートする。

 

…一昨年に北米で発売されて以来、国内向け仕様も待望のモデルチェンジとなった新型アウトバック。1.8リッターターボに小型化されたエンジンや運転支援システム「アイサイトX」の装備など、フラッグシップと呼ぶに見合う進化を遂げたといえる。ただ、全長4,870mm×全幅1,875mm×全高1,675mm(X-BREAK EXは全高1,670mm)のボディーサイズは日本の道路・駐車場事情では持て余してしまうのではという懸念もあるけど、乗る人を大らかに包み込む懐の深さを感じて取れるはず。

「あの車、どう?」~第314回~

今回のニューモデル紹介日記は、スズキの新型軽ワゴンワゴンRスマイルを紹介したい。

 

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ワゴンRスマイルはその名の通りスズキの主力軽ワゴンワゴンR』をベースとした派生モデルであり、新たに両側にスライドドアを装備した。

 

従来スライドドアは多人数乗車や子供がいる家族のためのもの、という認識が多くを占めたが、駐車時の開閉に場所を取らない、ドアに触れなくても(荷物で手が塞がっている状態でも)開閉できる、開口部が広いなどのメリットから、スライドドアへの需要が高まっている。ワゴンRスマイルは、そんな「自分のためのスライドドア」需要を満たすべく生まれた。

 

ワゴンRに対し全高を+45mm高くし(1695mm)、室内高も+65mm拡大(1330mm)。スーパーハイトまでの高さは必要ないというパーソナルカー需要にちょうどいいサイズとした。とはいえ後席には大人2人がゆったりと座ることができる空間を確保している。

 

大きな特徴はそのデザインだろう。シンプルながら丸みを帯びたシルエットやディティールが目を引く。ボディは水平基調。ヘッドライトやリアコンビ、グリルは「あるべき所にあるべきものがある」普遍的な構成に。基本的なデザインは奇を衒わずシンプル。そこに「洗練」と「温かみ」を融合させることで、愛着がわくような表情を作り上げたという。テーマは自分らしさを表現できる「マイスタイル マイワゴン」だ。

 

ベゼルが囲む特徴的な楕円形のヘッドライトは、上級モデルでは奥行きのある厚肉LEDタイプを装着。「こ」の字のように光るラインがワゴンRスマイルの個性を主張する。リヤコンビもLEDとなり、こちらは四角形に光る。

 

インテリアもシンプルで明快なデザインテーマとし、運転席からの見晴らしが良く、居心地の良い空間デザインを作り上げた。インパネは豊かな丸みのある天面と、艶のある大きなカラーパネルが特徴。カラーパネルはホワイトとネイビーの2色を用意した。また革シボのドアトリムなどは職人による手作業のような温もりを感じさせるものに。さらにゴールドやシルバーとは違うカッパーのアクセントが質感を向上させている。

 
エクステリアとインテリアは、カラーの組み合わせで4つのスタイルを提案する。例えば、インディゴブルーとホワイト2トーンルーフの組み合わせは英国を思わせる「ブリティッシュスタイル」、コーラルオレンジとアーバンブラウンの2トーンルーフは花束をイメージした上品な「エレガントスタイル」、パステルカラーのオフブルーやシフォンアイボリーは西海岸を思わせる「カリフォルニアスタイル」、シックなブルーイッシュブラックとホワイト2トーンルーフの組み合わせなら「モダンスタイル」といったものだ。
 

快適装備は360°プレミアムUV&IRカットガラスを採用。紫外線の60~80%をカットする。フルオートエアコンにシートヒーターも用意し、様々なシーンで快適な室内空間を実現する。

 

ユーティリティの高さはスズキの軽自動車ならでは。シートバックのポケットやテーブルのほか、ワゴンRシリーズでおなじみの助手席下シートアンダーボックス、500ml紙パックが入るドリンクホルダーや、ティッシュ箱をそのまま置くことができるインパネトレーなど、様々な収納を用意する。

 

シートアレンジも多彩で、後席を前に倒してフラットな荷室にしたり、前後席をすべて後ろに倒してつなげることで車中泊用のベッドにしたり、さらに左右独立可倒式なので乗車人数や荷物の大きさなどシチュエーションに合った空間を作ることが可能だ。

 

安全装備は、スズキの安全技術パッケージ「スズキ セーフティ サポート」を採用。ステレオカメラによる衝突被害軽減ブレーキのほか、誤発進抑制機能や車線逸脱防止機能など、先進安全装備を充実。ハイブリッドX、ハイブリッドSにはセーフティプラスパッケージとして全車速追従機能付きのACC、標識認識機能を備える。また、全方位モニター用カメラによるすれ違い支援機能、左右確認サポート機能と、死角を減らし接触防止をサポートする機能を充実させた。

 

ラインアップは、ベースグレードのガソリン車「G」、マイルドハイブリッド車の「ハイブリッドS」と上級装備の「ハイブリッドX」を設定。それぞれ2WDと4WDを用意する。マイルドハイブリッド車の2WDはWLTCモード25.1km/リットルの低燃費を実現した。

 

発売は9月10日で、価格は129万6000円(G)から。

 
…スズキを代表する量販車種となるワゴンRニューフェイスとして新たに加わったワゴンRスマイル。温和なスタイリングでまとめられた内外装や両側スライドドアから、ダイハツから2016年に発売されたムーヴキャンバスに真っ向から対抗した派生モデルといえるだろう。
 
両車とも車のコンセプトはもちろんの事、ターゲットとなるユーザー層も大きく重なる。しかし軽市場におけるスライドドアの需要は高まっていて、軽ワゴンを購入する意向がある人の4割以上がスライドドアを希望するというデータも出ている。そんな中でタントより車高の低いムーヴキャンバスが一定の支持を得たことにスズキも危機感を感じていたのには間違いないはず。
 
ワゴンRの持つパーソナルなサイズ感にスライドドアの利便性、それに加えてアルトラパンの流れを汲むであろう内外装のスタイリングを兼ね備えたワゴンRスマイルが、ムーヴキャンバスの牙城をどこまで崩せるかがポイントとなるだろう。

「ザ・ベストテン」より「セクシャルバイオレットNo.1」in金沢('79)

YouTubeで、こんな映像を発見した。

 

youtu.be

…昭和54年に放送された「ザ・ベストテン」より、桑名正博さんの「セクシャルバイオレットNo.1」だ。

 

同年秋にリリースされた「セクシャルバイオレットNo.1」は、化粧品のCM曲としてもヒットした桑名さんの代表曲としてその名が知られるナンバーだ。放送された当日は石川県金沢市金沢市観光会館*1でのコンサートを終えて、その足で名鉄丸越百貨店*23階テラスからの生中継に臨んだ。

 

42年前の金沢・武蔵が辻~南町の夜景をバックに熱唱する桑名さんの姿もさることながら、この時の生中継にはネット局の北陸放送から総勢57人ものスタッフを動員、桑名さんやバンド・コーラスもコンサートを終えて間もなく移動して生中継に臨んだというから、そのエネルギーも半端ではなかっただろう。

*1:現在の金沢歌劇座

*2:現在の金沢エムザ

「あの車、どう?」~第313回~

今回のニューモデル紹介日記は、日産の上級中型スポーツカー・新型フェアレディZ(北米向け仕様車)を紹介したい。

 

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アメリカ・ニューヨークで開催された特別イベントにおいて初発表された新型Zのデザインテーマは「伝統と最新技術の融合」だ。洗練されたエクステリアと、歴代モデルへのオマージュを感じさせるデザインが特長になる。日産のデザイナーは、多くのZオーナーの声に耳を傾け、歴代モデルの成功の秘訣を探りながら、数え切れないほどのスケッチを重ねたという。

 

伝統的な後輪駆動のスポーツカーのデザインを踏襲し、ロングフードや低重心のリアスタンスなど、初代モデル(S30型)など、歴代モデルへのオマージュを込めたシルエットに仕上げた。例えば、ノーズから四角いテールエンドに向かって流れるようなルーフラインや、テール部分がフロントフェンダーよりもわずかに低くなっていることなどが、独特のサイドシルエットを生み出しているという。

 

LEDヘッドライトのデザインは、『240ZG』(HS30型)を彷彿とさせる2つの半円がイメージされている。また、リアコンビネーションランプは、Z32型を彷彿とさせるデザインに最新の技術を取り入れ、新たに3DシグネチャーLEDテールランプを採用して、Zらしさを表現している。

 

新型のセンターコンソールは3つのエリアに分かれており、インストルメントパネル上の3連メーター(ブースト計、ターボスピード計、電圧計)は、ドライバーが見やすい位置にレイアウトされた。

 

12.3インチのフルデジタルメーターディスプレイを一新し、エンジン回転計の針が真上を指すと同時に、シフトアップインジケーターが点滅してドライバーにシフトアップを促すなど、重要な情報を一度に表示できるようにした。ドライバーの好みに合わせて変更できる3つの表示モードも用意している。

 

新設計のシフトレバーは、マニュアル、オートマチックともに、握りやすさと快適性を追求した。深いスポークを採用したステアリングホイールは、見た目を損なうことなく、ドライバーが素早く操作できるようデザインされているという。

 

シートは、『GT-R』の開発で培ったノウハウを生かし、ホールド性とフィット感を向上させた、と自負する。シートバックにスエードを多用することで、身体の横ブレを抑えて快適なドライブを実現するとともに、コーナリング時の身体の動きも抑制することを目指した。インテリアカラーは、グラファイト、レッド、ブルーの3色を用意している。

 

新型のパワートレインには、新開発の「VR30DDTT」型 3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。最大出力は405ps、最大トルクは48.4kgmを発生する。最大トルクは5600rpmで引き出される。出力を大幅に向上しながら、シャープでスムーズなレスポンスを実現しているという。

 

6速MTには、大トルクのエンジンに対応するため、クラッチディスクとギアトレインを強化した。また、新設計のシンクロナイザーシステムの採用やシフトプロファイルの変更により、スムーズなシフトチェンジを追求している。

 

新開発の9速ATは、幅広いギアレンジにより、ダイレクトで素早いレスポンスを可能にする。また、通勤や高速道路でのロングドライブに最適なスタンダードモードと、性能を最大限に引き出すスポーツモードを選択できる。スポーツモードは、より速い加速制御に加えて、ステアリングやVDCに専用制御を採用することで、ワインディングロードに最適な設定としている。

 

日産の後輪駆動車として初めて、クラッチ操作でエンジン回転数を保持し、停止状態からの加速性能を最大限発揮する「アドバンストローンチアシストコントロールシステム」を、AT全車と一部MT車に搭載した。

 

高速走行時やコーナリング時にレスポンスの高いハンドリング性能を実現するため、ボディ剛性を引き上げた。ラックアシストタイプEPSやワイドなフロントタイヤなどを採用することで、コーナリング性能を最大13%向上させた、としている。

 

…昨年9月にプロトタイプが発表されて以来、いよいよ市販車モデルが発表された新型フェアレディZ。内外装のデザインはプロトタイプをほぼ踏襲したカタチとなっていて、新型への反応は概ね好評なようだ。なお、国内向け仕様については今冬の発表を目指しているとのこと。

 

GT-Rと並ぶ日産のイメージリーダー的なポジションにあるフェアレディZではあるけど、将来的にドライブトレーンの電動化が進み、ハイブリッド(HV)から電気自動車(BEV)や燃料電池車(FCV)へのシフトしてゆく中で、純エンジン車のスポーツカーとしての集大成となるであろう新型Zが歴代モデルのように愛される名車となり得るか、その行く先を見守りたい。

「あの車、どう?」~第312回~

今回のニューモデル紹介日記、今回はトヨタの高級オフロード4WD・新型ランドクルーザー・300シリーズを紹介したい。

 

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現行トヨタ車の中では最長の歴史を誇るランドクルーザーは、1951年8月に強力なエンジンを備えた四輪駆動車「TOYOTA BJ型」として誕生。以降、世界各地で人の命や暮らしを支える、また、より豊かな人生を支える存在として進化を続け、これまで世界170の国と地域で累計1060万台、年間30万台以上を販売している*1

 

今回フルモデルチェンジとなった新型ランドクルーザー(300シリーズ)は、2007年に登場した200シリーズの後継モデル。「信頼性・耐久性・悪路走破性は進化させつつ継承」「世界中のどんな道でも運転しやすく、疲れにくい走りを実現」を開発テーマに、長年にわたる技術の積み重ねと最新技術を融合し、素性を刷新した。

 

従来のフレーム構造を踏襲しながらも、TNGAに基づく新GA-Fプラットフォームを採用。最新の溶接技術の活用等により、高剛性(従来型比+20%)かつ軽量なフレームとし、衝突安全性能、静粛性、走りの質を向上させた。ボディも高張力鋼板の採用を拡大したほか、ボンネット、ルーフ、全ドアパネルをアルミニウム化。また、パワートレーンの搭載位置を車両後方に70mm、下方に28mm移動。これらにより約200kgの軽量化、低重心化、前後重量配分の改善を果たしている。

 

プラットフォームの刷新に伴い、足回りには新開発のハイマウント・ダブルウィッシュボーン式(フロント)とトレーリングリンク車軸式(リヤ)のサスペンションを採用する。リヤサスペンションはショックアブソーバーの配置を最適化し、乗り心地と操縦安定性を向上。また、サスペンションアームの配置変更により、ブレーキング時にも安定した車両姿勢を維持する。

 

悪路走破性向上のため、ホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)も向上。路面状況や運転操作に応じ、ショックアブソーバーの減衰力を四輪独立制御するAVSにはリニアソレノイドタイプを採用し、操縦安定性と乗り心地の両立を図った。

 

過酷な環境下での使用に耐える油圧式パワーステアリングには、電動式の操舵アクチュエーターを組み合わせた。これにより、レーントレーシングアシストなど、操舵支援機能の追加が可能になったほか、低速時の優れた取り回しや悪路走行時のショック(キックバック)を低減。すっきりしたステアリングフィールなども併せて実現した。また、よりリニアな制動特性を得られる電子制御ブレーキシステムを採用。ブレーキペダルの操作量をセンサーで検出し、最適な制動力を油圧ブレーキで創出する。

 

リヤタイヤのトラクション性能を確保するトルセンLSDを採用。旋回加速時には後左右輪の荷重に応じて駆動力を最適に配分し、高いコントロール性能を実現。直進では路面状況の変化にレスポンスよく反応し、安定性の確保に貢献する。

 

マルチテレインセレクトでは、タイヤの空転によるスタックや、駆動力不足による失速が起こりやすい路面状況に応じた走行支援を、6つのモード(AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCK)から選択できる。モードごとに駆動力、サスペンション、ブレーキ油圧を自動で統合制御し、走破性を確保。また、動作範囲をハイレンジ(H4)にも拡大し、より広い範囲のオフロード走行に使用できる機能とした。

 

マルチテレインモニターは、車両周囲の状況確認を4つのカメラでサポートする。フロント・サイド左右・リヤに搭載したカメラでとらえた映像をカメラスイッチで切り替えることで、死角になりやすい車両周辺の路面状況を確認できる。また、フロント画面表示中に車両を停止させれば、車両下の状態や前輪の位置が確認できるアンダーフロアビューにも切り替え可能。さらに後輪周辺をクローズアップして大きく表示する新ビューを追加。タイヤ付近の状況や障害物との距離感を把握でき、スタックや行き止まりからの脱出に力を発揮する。

 

12.3インチディスプレイには、ランドクルーザー専用表示として、オフロード情報表示画面を新設。傾斜計、デフロックのオン/オフ、アクセル・ブレーキワークなどを大画面に表示することで車両の状態を直感的に把握できる。

 

パワーユニットは3.5リットルガソリンまたは3.3リットルディーゼルV型6気筒ツインターボエンジンを用意する。新開発の3.5リットルV6ツインターボガソリンエンジンは、最高出力415ps、最大トルク650Nmを発生。マルチホール直噴インジェクタ付D-4STの採用やロングストローク化、バルブ挟角の最適配置による高速燃焼と高効率ツインターボが力強い低速トルクと優れた過給レスポンスを生み出す。

 

3.3リットルV6ツインターボディーゼルエンジンは、ピストン燃焼室、吸気ポート、インジェクタといったエンジン各部の構造を最適化し、309psの最高出力、700Nmの最大トルクと、優れた燃費性能を両立した。また、可変ノズル付2ウェイツインターボを新採用。あらゆるシーンで爽快な加速感をもたらす過給性能を実現し、低速域ではシングルターボの高レスポンスによる力強い加速に、高速域ではツインターボの大吸気量によるのびやかな加速に寄与する。

 

トランスミッションはV6ツインターボエンジンの性能を引き出すダイレクトシフト10ATを組み合わせる。発進時を除くほぼ全域でロックアップを作動させ、ダイレクトなフィーリングを実現。また10速化により、ギヤステップのクロス化、全体のギヤレシオのワイドレンジ化を実現し、リズミカルで心地の良い走りのリズムと、高速燃費の向上、発進加速・オフロード性能の向上を同時に果たしている。

 

さらに、ガソリン・ディーゼル、各エンジン向けに駆動力特性と変速タイミングを最適化。ガソリンエンジンでは高回転域までの伸びやかなトルク特性を引き出すような気持ちよい加速感を、ディーゼルエンジンでは低回転から盛り上がるトルク特性を生かし、ドライバーの意思に寄り添った力強い加速を実現している。

 

車体外形は全長・ホイールベースなどボディサイズ、ならびに対地障害角(アプローチアングル、デパーチャーアングル、ランプブレークアングル)を従来型から変えず、オフロード走破性にもつながる扱いやすさを継承。また室内については、フロント着座位置を後方に移動しつつ、セカンド・サードシート構造・配置を見直し、居住性・荷室容量の向上と衝突安全性能を両立させた。サードシートはフロア格納式とした。

 

エクステリアデザインは、キャビンを後ろ寄りに配置する、キャビンバックワードプロポーションとしている。また、ラジエーターグリルをヘッドランプとともに高い位置に配置。前後バンパーの下部も障害物をいなすような造形とするなど、オフロード走行時の機能性を重視したデザインとしている。また、エンジンフードには大きな凹みを設け、衝突安全性能と前方視界の両立を図った。

 

インテリアは、オフロードなど過酷な環境でも、よりスムーズな運転操作、ドライバーが快適さを実感できる運転環境を創出している。インストルメントパネル上部は水平基調で、過酷な路面変化の中でも車両姿勢を把握しやすい形状とした。

 

また車両状況が把握しやすいよう、スピード・エンジン回転・燃料・水温・油圧・電圧が直感的に視認できる、6針式のメーターを採用している。ドライブモードセレクト、マルチテレインセレクト、ダウンヒルアシストコントロール、クロールコントロールのモードセレクトは1つのダイヤルに統合。モニターを見ながら操作できる最適な位置に配置している。

 

快適性にも配慮し、温熱シートとシートベンチレーションをフロントシートに加え、セカンドシートにも装備する。また、ペットボトル飲料などを保冷できるクールボックスを設定。さらに車室内を快適な空気環境に導く「ナノイーX」を全車標準装備する。12.3インチのワイドタッチディスプレイは、ナビ・オーディオ・空調表示だけでなく、オフロード機能もビジュアルでわかりやすく表示。さらに最大3名分の車両設定(ドライビングポジション、エアコン等の室内設定、メーター等の表示設定)を記憶させるマイセッティング、リヤバンパー下に足を出し入れするだけでバックドアが自動開閉するハンズフリーバックドアを採用する。

 

安心・安全装備では、指紋認証スタートスイッチをトヨタ初採用する。スマートキーを携帯し、ブレーキを踏みながらスタートスイッチ上の指紋センサーにタッチすると、車両に登録された指紋情報と照合。指紋情報が一致しなければエンジンが始動しない機構としている。

 

また、最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を採用。歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼)を検知し、衝突回避または被害軽減に寄与するプリクラッシュセーフティに、交差点での対向直進車や右左折時に前方から来る横断歩行者の検知機能、ドライバーによる回避操舵をきっかけに操舵と車線逸脱抑制をサポートする緊急時操舵支援機能を追加した。

 

さらに、駐車時などの低速走行時における衝突被害軽減に寄与するパーキングサポートブレーキを採用したほか、アクセルの踏みすぎや踏み間違いを検知するとクルマの加速を抑制するプラスサポートを設定する。

 

高性能スポーツグレード「GRスポーツ」をガソリン車・ディーゼル車それぞれに設定する。長年のダカールラリーへの参戦経験を踏まえ、「モータースポーツを起点にしたもっといいクルマづくり」を実践し開発された。ダカール参戦ドライバーからのフィードバックを開発に生かし、過酷な運転環境でも安心して運転しやすく疲れないクルマを目指した。

 

足回りでは、電子制御でスタビライザー効果を変化させるE-KDSSを世界初採用する。E-KDSSは、前後のスタビライザーを独立して自動で電子制御し、路面状況や前後輪それぞれの状況に応じてより細かくスタビライザー効果を調整。市街地での走行安定性とオフロードの走破性を高次元で両立させる。また、リヤに加えてフロントにも電動デフロックを搭載。様々な悪路環境において、より優れた走破性を発揮する。

 

エクステリアでは専用のラジエーターグリルやバンパー、マットグレー塗装の18インチアルミホイールなどを装備。インテリアでは専用の本革巻きステアリングホイールやフロントシートなどを装備する。

 

なお、トヨタ車体のチームランドクルーザーTLC)は、このGRスポーツをベースとした車両で2023年以降、ダカールラリーに参戦する予定だ。

 

…初代モデルとなる「トヨタ BJ」の発売からちょうど70年という節目の年にモデルチェンジされた新型ランドクルーザー。シリーズの頂点と呼ぶに相応しい最新・最高の技術をふんだんに盛り込むとともに、歴代モデルが長年培ってきた高い信頼性・耐久性を継承し、更なる融合が図られている。

 

国内向けモデルではトヨタSUVラインナップにおけるフラッグシップと位置付けられることから、装備の充実している中・上級グレードがメインとなっていて、ベーシックな「GX」でも一通りの快適装備が揃っている。しかし海外の輸出先によっては装備を必要最小限に抑えたグレードも設定されていることから、高い信頼性・耐久性といったランドクルーザーの持つ本来の素性を発揮したいというユーザーや官公庁など向けに設定があっても良かったと思う。

*1:レクサスLX、GXを含む