正臣のガレーヂ日記

プライベートな日記から新型車の一言レビュー、時事ネタまで他愛なく書いております。

「あの車、どう?」~第298回~

今回のニューモデル紹介日記は、マツダの新型クロスオーバーSUV・MX-30を紹介したい。

 

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昨年の東京モーターショーでEV(電気自動車)仕様のコンセプトモデルが出品されたMX-30、今回発売されたMX-30の市販モデルとなる第1弾はマイルドHV仕様車となる。

 

MX-30は観音開きのフリースタイルドアを採用し、その魅力を活かして「開放感に包まれる」新しい感覚を生むインテリア空間を造り込んでいる。その特徴は、マツダならではの、人間中心の開発思想に基づいたドライビングポジションやヒューマン・マシン・インターフェイスだ。ドライバーの前に視認性に優れた7インチのTFT液晶タッチパネルディスプレイを置き、その左側に8.8インチの横長ディスプレイと必要な操作部を集約したフローティングコンソールを配置した。

 

シフターとコマンドコントロールは前方に配置し、自然な腕の角度で各デバイスを操作できる設計としている。そしてセンターアームレストにはスライド機構を採用し、その間にカップホルダーを配すなど、今までにない創造的に使える収納スペースを実現した。また、モダン表現としてカラーとマテリアルにもこだわっている。環境を意識した素材を積極的に採用し、コンソールトレイ部とドアグリップに採用したのは、天然由来の環境負荷の少ないコルクだ。ドアトリムのアッパー部の繊維素材にはリサイクル原料を採用した。インテリアもホワイト内装とブラウン内装、2つの個性あるこだわりのコーディネートを実現している。

 

ボディサイズは、『CX-30』に限りなく近い。4395mmの全長と1795mmの全幅、2655mmのホイールベースはまったく同じだ。が、全高は10mm高い1550mmとした。また、マツダのデザインテーマである魂動デザインも、次のステージを見据えた味わいとなっている。サイドビューもランプデザインも個性的だ。AピラーからDピラーのキャブサイドの一部とリアゲート部分をメタリックカラーにしてキャビンのスピード感と一体感あるリアエンドを強調したフレームドトップも特徴のひとつ。ボディカラーは、ルーフまで同色とした4色のほか、おしゃれな3トーンカラーを用意した。

 

気になるパワーユニットは、e-SKYACTIV Gと名付けられたマイルドハイブリッドである。直噴ガソリンエンジンのSKYACTIV-G 2.0をベースに、マイルドハイブリッドシステム「Mハイブリッド」を組み合わせた。1997ccの直列4気筒DOHCエンジンをモーターが燃費性能のさらなる向上をサポートする。最高出力は115kW(156ps)/6000rpm、最大トルクは199N・m(20.3kg-m)/4000rpmだ。

 

モーター出力は5.1kW(6.9ps)/1800rpm、最大トルクは49N・m(5.0kg-m)/100rpmで、24Vのリチウムイオン電池を9個、10Ah搭載する。トランスミッションスカイアクティブドライブと呼ぶ電子制御6速MTだ。エンジン停止領域を拡大し、再始動時の静粛性も向上させた。Mハイブリッドバッテリーも従来のものより高性能化を図り、より多くの減速エネルギーを回生・蓄電することを可能にした。2WD(FF)モデルのWLTC燃費は15.6km/L、4WDモデルは15.1km/Lだ。

 

サスペンションは『マツダ3』やCX-30などと基本的な形式を同じにする。フロントはマクファーリンストラット、リアはトーションビームで、駆動方式は前輪駆動の2WDと4WDを設定した。最新の制御技術、「G-ベクタリング コントロール プラス」(「GVC Plus」)を搭載し、今までのGVCによるエンジン制御に、ブレーキによる車両姿勢安定化制御を加え、より高い操縦安定性を実現している。電子制御オンデマンド式の4WDシステムは、タイヤの動きやGセンサーなどの情報から、車両の走行状態をリアルタイムに検知し、路面状況やタイヤの荷重状態の変化を素早く予測。状況に応じて前輪と後輪へのトルク配分を最適化する先進の「i-ACTIV AWD」だ。

 

先進安全技術の「i-ACTIVSENSE」も最新のものへと進化させている。その筆頭が、被害軽減ブレーキを進化させ、スマートブレーキサポートに交差点での追突事故防止を図る「右直事故回避アシスト機能」を追加したことだ。また、白線が引かれていない道路での逸脱回避をアシストする「ロードキープアシスト機能」と車線変更時の衝突回避をサポートする「側方危険回避アシスト機能」を備えた「緊急時車線維持支援」も盛り込んでいる。パッシブセーフティではセンターピラーレスのフリースタイルドアを採用しながらも、高強度かつ効率的なエネルギー吸収構造などによって高い衝突安全性能を実現した。

 

…今年の1月に創立から100年の節目を迎え、2030年までに全車種に電動化技術を搭載するマツダが最新の知見と最高の技術を送り出したMX-30。今回発売されたマイルドHVに加えて今年度中にはEV仕様もリース販売されるそうだけど、持ち前の「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を両立させ、如何に運転する愉しさを伝えられるか、今後のバリエーション展開に期待したい。