正臣のガレーヂ日記

プライベートな日記から新型車の一言レビュー、時事ネタまで他愛なく書いております。

「あの車、どう?」~第313回~

今回のニューモデル紹介日記は、日産の上級中型スポーツカー・新型フェアレディZ(北米向け仕様車)を紹介したい。

 

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アメリカ・ニューヨークで開催された特別イベントにおいて初発表された新型Zのデザインテーマは「伝統と最新技術の融合」だ。洗練されたエクステリアと、歴代モデルへのオマージュを感じさせるデザインが特長になる。日産のデザイナーは、多くのZオーナーの声に耳を傾け、歴代モデルの成功の秘訣を探りながら、数え切れないほどのスケッチを重ねたという。

 

伝統的な後輪駆動のスポーツカーのデザインを踏襲し、ロングフードや低重心のリアスタンスなど、初代モデル(S30型)など、歴代モデルへのオマージュを込めたシルエットに仕上げた。例えば、ノーズから四角いテールエンドに向かって流れるようなルーフラインや、テール部分がフロントフェンダーよりもわずかに低くなっていることなどが、独特のサイドシルエットを生み出しているという。

 

LEDヘッドライトのデザインは、『240ZG』(HS30型)を彷彿とさせる2つの半円がイメージされている。また、リアコンビネーションランプは、Z32型を彷彿とさせるデザインに最新の技術を取り入れ、新たに3DシグネチャーLEDテールランプを採用して、Zらしさを表現している。

 

新型のセンターコンソールは3つのエリアに分かれており、インストルメントパネル上の3連メーター(ブースト計、ターボスピード計、電圧計)は、ドライバーが見やすい位置にレイアウトされた。

 

12.3インチのフルデジタルメーターディスプレイを一新し、エンジン回転計の針が真上を指すと同時に、シフトアップインジケーターが点滅してドライバーにシフトアップを促すなど、重要な情報を一度に表示できるようにした。ドライバーの好みに合わせて変更できる3つの表示モードも用意している。

 

新設計のシフトレバーは、マニュアル、オートマチックともに、握りやすさと快適性を追求した。深いスポークを採用したステアリングホイールは、見た目を損なうことなく、ドライバーが素早く操作できるようデザインされているという。

 

シートは、『GT-R』の開発で培ったノウハウを生かし、ホールド性とフィット感を向上させた、と自負する。シートバックにスエードを多用することで、身体の横ブレを抑えて快適なドライブを実現するとともに、コーナリング時の身体の動きも抑制することを目指した。インテリアカラーは、グラファイト、レッド、ブルーの3色を用意している。

 

新型のパワートレインには、新開発の「VR30DDTT」型 3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。最大出力は405ps、最大トルクは48.4kgmを発生する。最大トルクは5600rpmで引き出される。出力を大幅に向上しながら、シャープでスムーズなレスポンスを実現しているという。

 

6速MTには、大トルクのエンジンに対応するため、クラッチディスクとギアトレインを強化した。また、新設計のシンクロナイザーシステムの採用やシフトプロファイルの変更により、スムーズなシフトチェンジを追求している。

 

新開発の9速ATは、幅広いギアレンジにより、ダイレクトで素早いレスポンスを可能にする。また、通勤や高速道路でのロングドライブに最適なスタンダードモードと、性能を最大限に引き出すスポーツモードを選択できる。スポーツモードは、より速い加速制御に加えて、ステアリングやVDCに専用制御を採用することで、ワインディングロードに最適な設定としている。

 

日産の後輪駆動車として初めて、クラッチ操作でエンジン回転数を保持し、停止状態からの加速性能を最大限発揮する「アドバンストローンチアシストコントロールシステム」を、AT全車と一部MT車に搭載した。

 

高速走行時やコーナリング時にレスポンスの高いハンドリング性能を実現するため、ボディ剛性を引き上げた。ラックアシストタイプEPSやワイドなフロントタイヤなどを採用することで、コーナリング性能を最大13%向上させた、としている。

 

…昨年9月にプロトタイプが発表されて以来、いよいよ市販車モデルが発表された新型フェアレディZ。内外装のデザインはプロトタイプをほぼ踏襲したカタチとなっていて、新型への反応は概ね好評なようだ。なお、国内向け仕様については今冬の発表を目指しているとのこと。

 

GT-Rと並ぶ日産のイメージリーダー的なポジションにあるフェアレディZではあるけど、将来的にドライブトレーンの電動化が進み、ハイブリッド(HV)から電気自動車(BEV)や燃料電池車(FCV)へのシフトしてゆく中で、純エンジン車のスポーツカーとしての集大成となるであろう新型Zが歴代モデルのように愛される名車となり得るか、その行く先を見守りたい。