正臣のガレーヂ日記

プライベートな日記から新型車の一言レビュー、時事ネタまで他愛なく書いております。

「あの車、どう?」~第328回~

今回のニューモデル紹介日記は、日産の上級中型スポーツカー・新型フェアレディZを紹介したい。

 

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今年1月の東京オートサロンで国内向けの市販モデルが発表された今度の新型は、歴代Zへのオマージュを感じさせるデザインをまといながら、先進技術がもたらすダイナミックパフォーマンス、心を震わせるサウンドで、フェアレディZファンへワクワクを提供する。なお、新型フェアレディZ東京オートサロン2022で発表した240台限定の特別仕様車「プロトスペック」とあわせて今夏に発売する予定だ。

 

新型フェアレディZは、最高出力405ps/最大トルク475Nmを発生する新開発の3リットルV6ツインターボ「VR30DDTT」エンジンを搭載。出力を大幅に向上させながら、シャープでスムーズなレスポンスを実現した。

 

6速MTは大トルクのエンジンに対応するため、クラッチディスクとギヤトレインを強化。また、新設計のシンクロナイザーシステムの採用やシフトプロファイルの変更により、ドライバーの意のままのスムーズなシフトチェンジを可能とする。

 

新開発の9速ATは幅広いギアレンジによりダイレクトで素早いレスポンスを実現する。ドライブモードは普段使いや高速道路でのロングドライブに最適なスタンダードモードと、ワインディングロードなどでアグレッシブな走行を楽しめるスポーツモードを用意。スポーツモードはエンジン、トランスミッションのレスポンスを高め、ステアリング反力やVDC制御を最適化する。また、停止状態から加速性能のポテンシャルを最大限発揮する自動制御技術ローンチコントロールを日産の後輪駆動車として初搭載。加速タイムを向上した。

 

車体周りでは、フロントボディ周辺とリヤクロスメンバーを重点的に強化し、十分なねじり剛性を確保。フェアレディZらしい走りであるシャープな回頭性を実現する。また直進性を高め、修正舵を低減するフロントハイキャスターサスペンションと、路面との接地性が向上する高応答モノチューブダンパー、新開発のタイヤも採用。さらにバックドアとその周辺の剛性を高めることで振動音を低減し、走行時の快適性を向上した。

 

エクステリアは伝統的な後輪駆動のスポーツカーデザインを踏襲し、ロングノーズ・ショートデッキなど、初代S30型をはじめとする歴代フェアレディZへのオマージュを込めたシルエットに仕上げている。LEDヘッドランプはS30型を彷彿とさせる2つの半円をイメージしており、新型フェアレディZアイデンティティと調和。また、リヤコンビネーションランプは、Z32型を連想させるデザインに最先端の技術を取り入れ、新たに3DシグネチャーLEDを採用し、「フェアレディZ」らしさを表現している。

 

ボディカラーは、モノトーン3色と、新色のセイランブルーとイカズチイエローを含む2トーン6色(いずれもスーパーブラックルーフ)の合計9色を用意した。

 

センタークラスターは、S30型の3連サブメーターとエアコン吹き出し口、コントロールスイッチ類を積み上げた操作性に優れたデザインを現代的な技法で再構築。また、インストルメントパネル上の3連サブメーター(ブースト計、ターボ回転計、電圧計)は歴代フェアレディZ同様、電圧計とターボの状態を把握できる2つのメーターを配置するなど、ヘリテージを感じさせるデザインとした。

 

12.3インチのアドバンスドドライブアシストディスプレイはドライバーの好みに合わせて変更できる3つの表示モードを用意した。フェアレディZ専用のスポーツモードはSUPER GT500ドライバーの松田次生選手からのアドバイスにより、タコメーターを中央に配置。シフトアップタイミングが分かるシフトアップインジケーターを設定した。また、レーシングカー同様、インジケーターはエンジン回転数に応じ緑から黄色、赤と順に点灯。エンジン最大回転数に達しタコメーターの針が一番上になると、シフトアップインジケーターが点滅し、最適なタイミングでのシフトアップをサポートする。

 

新設計のMTシフトノブは握りやすさと操作性を追求。深いスポークを採用したステアリングホイールは、伝統的な美しさを表現しながら、ドライバーが素早く操作できるようなデザインを施した。また、ステアリングホイールの位置調整が可能なチルト・テレスコピックステアリングを採用。より幅広い体型の人に最適なドライビングポジションを提供する。シートはNISMOの開発で培ったノウハウを活かし、ホールド性とフィット感を向上。シートバックにスエードを採用することで、身体の横ブレを抑えて快適なドライブを実現するとともに、コーナリング時の身体の動きも抑制する。

 

インテリアカラーは、ブラックとレッドの2色を用意した。

 

新型フェアレディZは、車体・ホイール剛性の向上、吸遮音材追加に加え、音の侵入経路を遮断することで、ロードノイズを低減し、静粛性を向上。さらに、車内空間に合わせて音場を作り込んだ8スピーカーのBOSEサウンドシステム搭載により、プレミアムな音場体験が楽しめる。

 

また走行時には、リアルタイムにアクセルの踏み込み量・エンジン回転数・ギヤポジションなどの走行情報を読み取り、加速意図とクルマの挙動にシンクロさせた力強く伸びのあるスポーツサウンドを実現した。

 

…14年ぶりのモデルチェンジで第7世代となる新型フェアレディZ。昨今の半導体不足に伴う部品供給の影響から、当初の6月下旬から今夏頃と発売予定時期が変更されたのは惜しまれるけど、価格は524万1500円から696万6300円と、直接競合するGRスープラとほぼ近い価格帯となっている。

 

世界の自動車メーカー各社がHV(ハイブリッド)をはじめ、EV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)など電動化にシフトを進めだしている昨今で、ドライバーが運転を思う存分に楽しめる、ある意味クラシカルな純エンジン車+マニュアルミッションを設定するスポーツカーの新型車が発売されることに大きな意義があるといえる。また、405馬力のV6・3リッターツインターボ搭載車が520万円台からという価格設定も、同じ3リッターターボ車となるGRスープラの3.0RZ(731万3000円)より安いだけに、新型フェアレディZの魅力をより多くのドライバーに伝えたいという日産の心意気を感じて取れるといっても過言ではなさそう。