正臣のガレーヂ日記

プライベートな日記から新型車の一言レビュー、時事ネタまで他愛なく書いております。

「あの車、どう?」~第329回~

今回のニューモデル紹介日記は、日産/三菱の新型軽EV・サクラ/eKクロスEVを紹介したい。

 

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今回発表されたサクラ/eKクロスEVは、三菱自動車工業との提携関係のなかで、両社の合弁会社であるNMKVで開発・生産され、誕生した。サクラ/eKクロスEVの特徴は、日産と三菱自独自の内容だが、車両としての基本性能や装備は同一だ。

 

サクラに込めた思いを日産は、「毎日の生活の質を高めてくれる手の届きやすいEV」とした。国内市場の約4割を占める軽自動車と、EVといえば『リーフ』や『アリア』で実績を持つ日産という実績を合体することで、日本市場に最適なEVが誕生したと胸を張る。

外観は、IMkの印象をそのままに量産化したといえ、ショーカーとしてのIMkの造形の完成度が、市販を前提とした完成度の高いものであったことを思わせる。

 

サクラ開発の柱は3つあり、スムーズな走りと静粛性/手間なく素早く/先進的かつエレガント、であるという。

 

スムーズな走りと静粛性は、いうまでもなくEVであれば当然の性能だ。それを実現するうえで特筆すべきは、軽のガソリンターボエンジン車の2倍近い最大トルク195Nmをモーターが実現していることだ。これによって、発進・加速はもちろん、幹線道路や高速道路への合流などで無理なく速度を上げられる。そのモーターは、車体前部のモータールーム内にメンバーを横断させ、これに吊り下げる搭載方法により振動や騒音を源から絶っている。あるいは、ホイールハウス内にライナーを取り付け、車外からの騒音にも対処している。

 

手間なく素早くでは、運転支援の「プロパイロット」や「プロパイロットパーク」、あるいはワンペダル的な運転を促す「e-Pedal Step(イーペダルステップ)」といった先進技術を採用する。コネクテッドサービスには、充電状況を考慮した経路設定をする日産コネクテッドナビゲーションのほか、Apple CarPlayへのワイヤレス接続、緊急時のSOSコールなども用意される。

 

先進的かつエレガントについて、外観の造形はすでに解説したが、室内ではダッシュボードに防水/防汚/防臭性を持つファブリックを採用したり、ハンドルとシフトノブにはアリアと同じ意匠を適用したりと、実用的だが安さならではの我慢といった従来の軽自動車に対する印象を払拭する上級さが採り入れられている。

 

車体色は、2トーンが4色、モノトーンを含めると全部で15色になる。内装色は、黒を基本に、ベージュと、ブルーグレーが設定されている。

 

性能諸元としては、20kWhのリチウムイオンバッテリーを車載し、WLTCモードで最大180kmの一充電走行距離を備える。充電時間は、200Vの普通充電で8時間、急速充電の約40分で容量の80%を充電できるとする。リーフやアリアでの300~600kmという一充電走行距離からすると少なく感じるかもしれないが、日々使う軽自動車としては適切な距離が確保されているし、遠出の際も1回急速充電すれば300km以上走れる計算になるので、休憩をしながらの移動には十分だろう。

 

車両価格は、233万3100円から294万0300円までだが、55万円の補助金を活用すると、約178万円から購入できることになる。さらに各自治体の補助金を活用することで、合計100万円程度のサポートを受けることも可能だ。

 

…2019年の東京モーターショーで公開されたコンセプトモデル「IMk」から2年半を経て市販化されたサクラ/eKクロスEV。軽乗用車のEVは三菱自工の「i-MIEV」以来となるが、モーターや走行用バッテリーの性能、一充電走行距離など大幅な技術の進化が垣間見られる。

 

サクラ/eKクロスEVの一充電走行距離は180kmとリーフやアリアより短くみられるが、軽自動車や小型普通車ユーザーの多くは1日当たりの走行距離が50km以下ということから、子供の送迎や近所の買い物などで用いるメインユーザー層の需要に合致するし、EVの持つメリットを上手く活用すればその性能を充分に引き出せるだろう。