日産自動車は2日、国内6カ所の全ての車両組み立て工場で無資格の従業員が完成検査をしていた問題で、車両の再点検のため、約121万台のリコールを国土交通省に届け出る方針だと発表した。対象は2014年10月から17年9月までに生産し、国内向けに販売した車種。今週中に同省へリコールを届け出た後、全国の日産販売店で点検を行う。www.asahi.com
新車登録後3年目の初回の車検をまだ受けていない車について、車検相当の点検を行うとし、今週中にも始めるという。点検コストは1台あたり1万円以上かかる見込みで、リコール費用は250億円を超える見通しとなる。また、新車登録前でユーザーに引き渡される前の約3万4千台については、販売店で再検査を行ったうえで3日以降に登録する。
今回の一件を受け、2日夕方から横浜市の日産本社で記者会見した西川広人社長は「お客様に心からおわびしたい。今回起こったことはあってはいけないことで、背景を徹底的に検証し、対策を取りたい」と述べた。西川社長は日本自動車工業会会長を務めており、「自工会会長でありながら、こういうことを起こして申し訳ない」と謝罪した。原因の調査には1カ月程度かかるとし、処分については「私自身が納得できるまで調べて、どう責任を取るかを考えたい」とした。
…一連の問題について西川社長は「工程内の検査が多く、この部分は検査を(する資格があると)登録された人でないといけない、という認識が多少薄まっていたのかもしれない」と述べていたけど、完成検査自体は適正に行われていたとはいえ、出荷前の重要な工程での見落としを見抜けなかった代償は思っていた以上に大きなものとなったといえるだろう。
また、納車後の新車が予期せぬ不具合が生じてからでは遅いだけに、国土交通省からの指摘を受けた時点で早急に対策に乗り出す必要があったのではないかと思えてならない。