19日午前4時7分頃、千葉県南房総市の野前崎から南南西40kmの海上で、海上自衛隊のイージス艦「あたご」と千葉県勝浦市の新勝浦市漁協に所属するマグロはえ縄漁船「清徳丸」が衝突した。漁船はあたごの船首付近に衝突し船体が2つに割れ、船主の吉清治夫さんと長男の哲大さんの2人が海上に投げ出され行方不明となっている。
第3管区海上保安本部は巡視船艇や航空機などで捜索を進める一方、業務上過失往来妨害の疑いもあるとみて、あたごの艦長から詳細な事情を聴く方針だ。
衝突の衝撃で清徳丸は船首側と船尾側が分断され、3管の特殊救難隊員がそれぞれを確認したが、2人は見付かっていない。漁船中央にあった操舵室は事故の衝撃で破壊されたとみられる。
3管や防衛省などによると、あたごは今年1月21日〜25日にかけてアメリカ・ハワイ沖で、装備している迎撃ミサイルの発射実験を行い、今月6日にハワイを出発した。今日横須賀基地に寄港し、母港の舞鶴港に向かう予定だった。一方の清徳丸は吉清さんの所有で、午前1時頃、漁のため三宅島方面に向けて勝浦市の川津漁港を出港していた。
