動く国産自動車としては最も古い「アロー号」を走らせるイベントが9日、保存・展示している福岡市博物館で行われた。エンジンをかけるのは20年ぶりという。
アロー号は、1916年(大正5年)に、福岡のエンジニア故矢野倖一氏が23歳の時に完成。今月、日本機械学会から機械遺産に認定されたことを受け、同博物館が記念走行させた。
手回し式のエンジンがなかなか掛からず、多くのギャラリーが固唾を呑む中で20年ぶりにエンジンが始動すると、大きな歓声が上がったという。…アロー号の開発から93年を経た現在、車の性能は動力・安全面など飛躍的に向上したけど、「歴史の生き証車」といえるアロー号のようなクラシックカーを文化遺産として後世に伝えてゆく義務が、我々の世代にもあるのではないか。