正臣のガレーヂ日記

プライベートな日記から新型車の一言レビュー、時事ネタまで他愛なく書いております。

「あの車、どう?」~第303回~

今回のニューモデル紹介日記は、トヨタ燃料電池車(FCV)・新型ミライを紹介したい。

 

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2014年に発売以来、8年ぶりのモデルチェンジにより第2世代となる今度の新型について、トヨタは「あらゆる瞬間で『このクルマはいい、本当に欲しい』と思ってもらえる、未来のプレミアムカーを提供すること」を目標に定めて開発したという。

 

新型MIRAIは、環境車だからではなく、スタイリングで選ばれるクルマを目指し、「SILENT DYNAMISM」をコンセプトにデザインを造り込んだ。エクステリアはスピード感あふれるプロポーションと大胆な面の変化を重視した造形を、インテリアは運転する楽しさと先進感の中のくつろぎをそれぞれ高次元で融合。

 

ボディカラーは、スタイリングを際立たせる陰影感と鮮やかさを兼ね備えた新色「フォースブルーマルティプルレイヤーズ」を含む全8色をラインアップする。

 

小型・高出力化したFCスタックは、踏んだ瞬間からトルクが立ち上がり、どこまでもスムーズに伸びる、FCVならではの加速特性を発揮する。このFCスタックをフード下に、モーターと駆動用バッテリーはリヤに配置。水素タンクも含めたFCシステムの最適な配置により、前後50:50の理想的な重量配分を実現した。

 

プラットフォームは『クラウン』などFR高級車用として定評あるTNGA「GA-L」をベースに、リヤなど各部の構造を見直し、徹底的にボディ剛性や遮音対策を強化。これらにより、意のままのハンドリングと静かで滑らかな乗り心地を高度に両立させ、FCVならではの走りを実現した。

 

安全面では最新の「トヨタセーフティセンス」を採用する。プリクラッシュセーフティ(PCS)は右折時の直進車両、右左折時に前方から来る歩行者を検知し、交差点事故にも対応。車道の歩行者に対しては、車線を逸脱しない範囲の操舵アシストを行いドライバーの衝突回避を支援する。

 

このほか、レーダークルーズコントロールにはカーブ走行速度抑制機能を追加。体調急変時、安全な停車を支援するドライバー異常時対応システム、ペダル踏み間違いを検知し加速を抑制する「プラスサポート」などを装備する。

 

さらに高度運転支援技術「Toyota Teammate」を採用。自動車専用道路でのハンズオフ走行を実現するAdvanced Drive装着車を導入し、2021年(予定)に発売する。また、カメラと超音波センサーによる高度駐車支援システム「Advanced Park」装着車を設定。安全/安心でスムーズな駐車を実現する。

 

吸入した空気をきれいにして排出する空気清浄システムをトヨタ初導入。ゼロエミッションを超える「マイナスエミッション」を実現する。空気清浄システムは、エアクリーナーエレメント(ダストフィルター)でPM2.5レベルの細かい粒子まで捕捉し、ケミカルフィルターで有害な化学物質を除去するとともにPM2.5の発生を抑制。また、走ることできれいにした空気量をセンターディスプレイ上で分かりやすく表示する。

 

水素搭載量はフロアトンネルのスペースも活用することで、先代の4.6kgから5.6kgへと約20%拡大した。また、FC昇圧コンバータのSiC半導体採用や、2次電池としてリチウムイオン電池を採用したことなどにより、ユニット損失を低減。FCスタックの性能向上に加え、それを活用する触媒リフレッシュ制御の導入により発電効率も向上し、従来型比+約30%となる、850km(Gグレード)の航続距離を実現した。

 

グレード体系は標準の「G」、上級の「Z」を用意。各グレードに、居心地の良い後席空間に拘り、高級車としてのゆとりをさらに向上させる「エグゼクティブパッケージ」を設定。GにはAdvanced Parkなどを装備した「Aパッケージ」も設定した。

 

価格は710万円から805万円。エコカー減税や環境性能割、グリーン化特例といった税制面での優遇に加え、CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金)の対象となり、117万3000円が交付されるとのこと。

 

…初代モデルは世界に先駆け量産を開始した革新的なFCVとして注目を集め、8年間の累計販売台数は全世界で1万1千台、その内国内でも3700台が販売されたものの、政府が掲げる「20年までに4万台程度」の目標の10分の1にも満たなかった。また、導入初期では供給能力に制約があり、乗車定員や航続距離などの要望もあった。

 

しかし今度の新型では最先端の技術を惜しみなく取り入れることにより、「究極のエコカー」と呼ぶに見合う走行・環境性能を実現させている。それだけに現在140箇所程となる水素の補給施設の拡充をはじめとした、普及に向けてのインフラ整備が今後の課題となるだろう。