正臣のガレーヂ日記

プライベートな日記から新型車の一言レビュー、時事ネタまで他愛なく書いております。

「あの車、どう?」~第314回~

今回のニューモデル紹介日記は、スズキの新型軽ワゴンワゴンRスマイルを紹介したい。

 

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ワゴンRスマイルはその名の通りスズキの主力軽ワゴンワゴンR』をベースとした派生モデルであり、新たに両側にスライドドアを装備した。

 

従来スライドドアは多人数乗車や子供がいる家族のためのもの、という認識が多くを占めたが、駐車時の開閉に場所を取らない、ドアに触れなくても(荷物で手が塞がっている状態でも)開閉できる、開口部が広いなどのメリットから、スライドドアへの需要が高まっている。ワゴンRスマイルは、そんな「自分のためのスライドドア」需要を満たすべく生まれた。

 

ワゴンRに対し全高を+45mm高くし(1695mm)、室内高も+65mm拡大(1330mm)。スーパーハイトまでの高さは必要ないというパーソナルカー需要にちょうどいいサイズとした。とはいえ後席には大人2人がゆったりと座ることができる空間を確保している。

 

大きな特徴はそのデザインだろう。シンプルながら丸みを帯びたシルエットやディティールが目を引く。ボディは水平基調。ヘッドライトやリアコンビ、グリルは「あるべき所にあるべきものがある」普遍的な構成に。基本的なデザインは奇を衒わずシンプル。そこに「洗練」と「温かみ」を融合させることで、愛着がわくような表情を作り上げたという。テーマは自分らしさを表現できる「マイスタイル マイワゴン」だ。

 

ベゼルが囲む特徴的な楕円形のヘッドライトは、上級モデルでは奥行きのある厚肉LEDタイプを装着。「こ」の字のように光るラインがワゴンRスマイルの個性を主張する。リヤコンビもLEDとなり、こちらは四角形に光る。

 

インテリアもシンプルで明快なデザインテーマとし、運転席からの見晴らしが良く、居心地の良い空間デザインを作り上げた。インパネは豊かな丸みのある天面と、艶のある大きなカラーパネルが特徴。カラーパネルはホワイトとネイビーの2色を用意した。また革シボのドアトリムなどは職人による手作業のような温もりを感じさせるものに。さらにゴールドやシルバーとは違うカッパーのアクセントが質感を向上させている。

 
エクステリアとインテリアは、カラーの組み合わせで4つのスタイルを提案する。例えば、インディゴブルーとホワイト2トーンルーフの組み合わせは英国を思わせる「ブリティッシュスタイル」、コーラルオレンジとアーバンブラウンの2トーンルーフは花束をイメージした上品な「エレガントスタイル」、パステルカラーのオフブルーやシフォンアイボリーは西海岸を思わせる「カリフォルニアスタイル」、シックなブルーイッシュブラックとホワイト2トーンルーフの組み合わせなら「モダンスタイル」といったものだ。
 

快適装備は360°プレミアムUV&IRカットガラスを採用。紫外線の60~80%をカットする。フルオートエアコンにシートヒーターも用意し、様々なシーンで快適な室内空間を実現する。

 

ユーティリティの高さはスズキの軽自動車ならでは。シートバックのポケットやテーブルのほか、ワゴンRシリーズでおなじみの助手席下シートアンダーボックス、500ml紙パックが入るドリンクホルダーや、ティッシュ箱をそのまま置くことができるインパネトレーなど、様々な収納を用意する。

 

シートアレンジも多彩で、後席を前に倒してフラットな荷室にしたり、前後席をすべて後ろに倒してつなげることで車中泊用のベッドにしたり、さらに左右独立可倒式なので乗車人数や荷物の大きさなどシチュエーションに合った空間を作ることが可能だ。

 

安全装備は、スズキの安全技術パッケージ「スズキ セーフティ サポート」を採用。ステレオカメラによる衝突被害軽減ブレーキのほか、誤発進抑制機能や車線逸脱防止機能など、先進安全装備を充実。ハイブリッドX、ハイブリッドSにはセーフティプラスパッケージとして全車速追従機能付きのACC、標識認識機能を備える。また、全方位モニター用カメラによるすれ違い支援機能、左右確認サポート機能と、死角を減らし接触防止をサポートする機能を充実させた。

 

ラインアップは、ベースグレードのガソリン車「G」、マイルドハイブリッド車の「ハイブリッドS」と上級装備の「ハイブリッドX」を設定。それぞれ2WDと4WDを用意する。マイルドハイブリッド車の2WDはWLTCモード25.1km/リットルの低燃費を実現した。

 

発売は9月10日で、価格は129万6000円(G)から。

 
…スズキを代表する量販車種となるワゴンRニューフェイスとして新たに加わったワゴンRスマイル。温和なスタイリングでまとめられた内外装や両側スライドドアから、ダイハツから2016年に発売されたムーヴキャンバスに真っ向から対抗した派生モデルといえるだろう。
 
両車とも車のコンセプトはもちろんの事、ターゲットとなるユーザー層も大きく重なる。しかし軽市場におけるスライドドアの需要は高まっていて、軽ワゴンを購入する意向がある人の4割以上がスライドドアを希望するというデータも出ている。そんな中でタントより車高の低いムーヴキャンバスが一定の支持を得たことにスズキも危機感を感じていたのには間違いないはず。
 
ワゴンRの持つパーソナルなサイズ感にスライドドアの利便性、それに加えてアルトラパンの流れを汲むであろう内外装のスタイリングを兼ね備えたワゴンRスマイルが、ムーヴキャンバスの牙城をどこまで崩せるかがポイントとなるだろう。