正臣のガレーヂ日記

プライベートな日記から新型車の一言レビュー、時事ネタまで他愛なく書いております。

「あの車、どう?」~第352回~

今回のニューモデル紹介日記は、三菱のピックアップトラック・新型トライトンを紹介したい。

 

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国内向けには平成12年以来14年ぶりに投入される今度の新型は「Power for Adventure」という商品コンセプトのもとで開発を進め、内外装デザインからシャシーラダーフレーム、エンジンなどを一新し、7月より生産工場のあるタイで販売を開始している。今回日本で販売するトライトンはダブルキャブの4WDで、トランスミッションは6速ATのみ。「GLS」と「GSR」の2グレードを展開する。

 

新開発となるラダーフレームは従来型から大幅に剛性を高めながら、ハイテン鋼の採用比率を大幅に増加させて重量増を最小限に抑えた。これにより走行性能や乗り心地を向上させたほか、積載時の耐久性、衝突時のエネルギー分散性も向上するなど堅牢性も高めている。ボディもラダーフレームと同様に超ハイテン鋼を採用するなど軽量化を図り、衝突時のエネルギー吸収とキャビンの変形抑制を両立させた衝突安全強化ボディ「RISE」を採用している。

 

新開発の4N16型クリーンディーゼルエンジンは、回転数と負荷に応じて2つのタービンを協調させることで、全回転域で高出力を発揮する2ステージターボシステムを採用。150kW(203ps)の最高出力と約1500rpmからフラットに発生する470Nmの最大トルクによって、実用域での応答性に優れたトルクフルな走行を可能としている。また、尿素SCRシステムを採用。窒素酸化物(NOx)を安定して浄化する。

 

カーゴベッドはベッドライナー(荷台カバー)装着状態でもJIS規格パレット積載にも対応したほか、820mmの荷台高やバンパーコーナー上面をフレームで補強し足を乗せるスペースとして使用可能とするなど実用的な仕様とした。また、2×4材を使用してカーゴスペースを自由に仕切れる2×4ランバーアタッチメントを採用することで、荷物の整理を容易にしている。

 

サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン式を採用。アッパーアーム取り付け部を上方に設定したハイマウントタイプとすることで、ストロークを確保して接地性・乗り心地を向上。リヤサスペンションは強度を確保しながら軽量化したリーフスプリング式を採用。大径のショックアブソーバーと共に快適な乗り心地を実現した。

 

4WDシステムは、三菱自動車独自のSS4-IIシステムを採用した。4WDモードは後輪駆動の「2H」、フルタイム4WDの「4H」、センターディファレンシャル直結の「4HLc」、よりローギヤの「4LLc」の4種類から選択可能。走行中にダイヤル式のセレクターで簡単に4WDモードを変更できる。センターディファレンシャルには、前40%、後60%に駆動力を配分し、トラクション性能とコーナリング性能を両立するトルク感応式LSDを装備する。

 

各4WDモードに対応する7つのドライブモードを搭載。すべての4WDモードに設定されている「ノーマル」モードをはじめ、2Hには経済性を重視した「エコ」、4Hに「グラベル(未舗装路)」と「スノー(氷雪路)」、4HLcにトラクション性能を引き出す「マッド(泥濘)」と「サンド(砂地)」、4LLcには「ロック(岩場)」モードを設定。あらゆる路面で最適なドライブモードを選択できる。

 

トライトン新型は、コーナー内側の前輪に弱くブレーキをかける事で旋回性を向上するアクティブヨーコントロール[AYC]を新たに採用。また、アクティブLSD(ブレーキ制御タイプ)をあわせて採用することで、大柄なボディでも意のままの走行性能を実現している。その他、下り坂で一定のスピードを保持して安心して走行することができるヒルディセントコントロール [HDC]、坂道発進での後退を防止するヒルスタートアシスト[HSA]などを採用し、ドライバーの負担を軽減する。

 

デザインコンセプトは「BEAST MODE(勇猛果敢)」。ピックアップトラックに求められるタフさや力強さに加え、堅牢さを持ちながら俊敏さも併せ持つ堂々とした佇まいを表現している。水平基調のボディサイドは、ドアの厚みを演出する張りのある大きな面で構成しながら、シャープに張り出したフェンダー造形とのコントラストで引き締め、より幅広く見せることで安定感と強靭さを強調。フロントは「ダイナミックシールド」を力強く立体的なフロントグリルやフェンダーから繋がる力強い造形、それを強調するプロテクターで、ピックアップトラックに最適化した。

 

エアロダイナミクスを向上させたキャビン形状や大型化して握りやすく耐久性を高めたドアハンドル、幅を広げて水はけを良くしたサイドステップなど、各所に機能的なデザインを採り入れ、実用性を高めている。3連のL字型LEDランプを配したデイタイムランニングランプは猛禽類を思わせる眼光鋭い造形とし、その下に立体的な3眼プロジェクター式のヘッドライトを組み合わせることで、圧倒的な存在感と逞しさを感じさせるデザインとしている。リヤは十分な荷台サイズを確保しながら、サイドから続く張りのある面を後端まで回している。両端にT字型のテールランプを配しワイド感を強調するとともに厚みを持たせリヤ周りを逞しく演出する。

 

インテリアは水平基調で力強い造形の「HORIZONTAL AXIS(ホリゾンタル アクシス)」コンセプトを進化させたインストルメントパネルを採用。また、乗員を保護するためのソフトパットを要所に採用し、実用性を確保しながら幾何学的な造形とメタリックを多用したハイコントラストでモダンな空間としている。モニターやメーター、メタリックとブラックでコントラストをつけたダイヤルやスイッチ類は手袋をしたままでも確実に操作ができるよう程よい節度感を実現。ステアリングホイール、グリップ、ドアハンドル類は握り心地や逞しさを追求するなど「MITSUBISHI TOUCH(三菱タッチ)」という考え方に基づいてデザインした。

 

フロントシートは腰回りをしっかりサポートし、肩付近は動きやすく開放的な形状とすることで、ドライバーの疲労を軽減。また、アップライトな乗車姿勢とし、室内からの視認性を確保しながら、立たせたフロントピラーによる広いドア開口部、さらに幅広く滑りにくいサイドステップを採用することで良好な乗降性を実現している。

 

ボディカラーは鮮やかさとメタリック感を強めたヤマブキオレンジメタリックと、輝度感を向上させたブレードシルバーメタリックを新たに採用。ベーシックカラーとしてホワイトダイヤモンド、レッドソリッド、グラファイトグレーメタリック、ジェットブラックマイカをラインアップしている。

 

上位グレードの「GSR」はフロントグリルをボディ同色に、ドアミラー、フロントバンパーガーニッシュ、ドアハンドルなどをブラックに、フロント、サイド、リヤの各アンダーガードはダークチタニウムとした。また、ブラックのルーフレール、フェンダーアーチモール、荷台にはスタイリングバーを装着することで精悍さを増している。インテリアもメタリック加飾部分をブラック基調とすることで引き締め、オレンジのアクセントカラーを配置することで上質感と精悍さを加えている。

 

運転支援機能「e-Assist」では先行車の加速・減速に追従走行し、設定した車間距離を保ちながら走行するレーダークルーズコントロールシステムをはじめ、衝突被害軽減ブレーキシステム、レーダークルーズコントロールシステム、踏み間違い防止アシスト、車線逸脱警報システム&車線逸脱防止支援機能、後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)、後退時交差車両検知警報システム、オートマチックハイビーム、標識認識システム、ふらつき警報、合計9つの機能を搭載した。

 

コネクティッドサービス「三菱コネクト」では、リモートエアコンやリモートドアロック/アンロックのなどの便利機能に加え、万が一の際のSOSコールや、車両の運転状況を通知するドライブ見守り通知機能も採用することでドライバーの負担を軽減し、乗る人すべてに安全・安心を提供する。

 

アクセサリーは、トライトン新型の特徴をより際立たせるアイテムを幅広く設定した。堅牢且つ洗練されたデザインのスポーツバー、よりワイドにかつ力強さを主張するフェンダーアーチモールディング、サイドドアガーニッシュで強固なイメージを演出。また、荷台の保護には欠かせないベッドライナーに加えフューエルリッドガーニッシュなどのドレスアップアイテム、トノカバー、テールゲートアシストなどのサポートアイテムも取り揃えている。

 

…国内向けには12年ぶりの復帰となった新型トライトン。昭和53年発売のフォルテをルーツに、世界150か国で販売される三菱自工の世界戦略車の一つと言える。昨年12月から先行注文を始めたところ、2月13日時点で約1300台の注文を受け、月販目標の6.5倍となる予約数を記録。しかもそのほとんどが三菱車の購入が初めていうことからも注目の高さがうかがえる。

 

個人的には往年のギャランやランサーのスポーティーグレードや、近年ではランサーエボリューションにも採用された「GSR」のグレード名が新型トライトンで復活したのがとても興味深い。

 

三菱自工も昨年5月に発売された軽ハイトワゴン・デリカミニのヒットもあって、一連のリコール隠ぺい事件や不正問題以降の長かった停滞期から、復調の兆しが見えているだけに、新型トライトンがスリーダイヤの輝きが再び蘇る起爆剤となることを信じたい。